天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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祝 辞公益財団法人天田財団の創立30周年を心からお祝い申し上げます。貴財団におかれましては、1987年に設立され、30年という長きにわたり、わが国の産業とりわけ塑性加工およびレーザプロセッシング分野への研究助成を通じて社会に大きく貢献してこられました。この間、時代のニーズに積極的に対応され、助成の拡大、充実をはかり、これまでの累計助成件数1,400件を超えると伺いました。このことから歴代の理事長および役員、関係者の皆さまのご尽力に敬意を表する次第でございます。また、昨年よりはじめられた地域での産学連携の取り組みは、行動する財団を象徴しています。ともすれば研究室に埋もれがちな成果に目を向け社会実装につないでいくことはこれからの日本のモノづくりにとって大変意味のあることです。現在政府が推進しているオープンイノベーションなど連携の強化にもそった、時宜にかなった財団の活動といえます。弊社としましても、産学連携の橋渡し役としての天田財団の事業活動には注目しており、今後もぜひ協力していきたいと考えております。近年、わが国の産業界は大きな変化に直面してきました。環境問題、グローバル化、コンピュータリゼーション、そして今日、あらゆるモノがインターネットでつながるIoTや人工知能を活用する動きが加速しています。その結果生産効率の飛躍的な向上や全く新しいサービスが生まれる環境ができつつあります。今までのように自前主義でいいモノをつくれば売れるといった日本的モノづくりにとって厳しい時代を迎えつつあります。しかしながら、高効率で高品質なものをつくる技術や技能が不要になるわけではありません。そこに到達するプロセスが大きく変わるということで、第4次産業革命の最終目的もいかにモノづくりを効率よく高度化できるかにあると確信しております。アマダグループも昨年創業70周年を迎え、次の100年企業に向けての経営革新を行うべく新たなスタートをきったところでございます。弊社の株式が財団基金であるということは業績が財団の助成拡大、発展に大きな影響を与えることであり、経営のみならず社員の大きな励みとなっております。助成研究の成果はいずれ技術立国日本を支えていくシーズになっていきます。私どもも、財団が末永く、幅広い助成を続けることができる経済基盤の安定に寄与し、創業者の理念でもある「人々の豊かな未来に貢献」できる企業として成長していく所存でございます。最後になりますが、天田財団におかれましては、この30周年を契機に、さらに助成プログラムの充実に努められ金属加工分野の技術振興、人材育成に貢献されますことを祈念してお祝いの言葉とさせていただきます。磯部 任株式会社アマダホールディングス 代表取締役社長財団が末永く、幅広い助成を続けることが財団創立理念の「人々の豊かな未来に貢献」につながる8序 文

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