天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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COLUMN公益財団法人への移行新たな活動の開始(3)現在の財団公益財団法人天田財団が2017年に設立30周年を迎えるのを記念して、2015(平成27)年より研究開発助成プログラムの充実化や財団の新たな活動が開始されることとなった。研究開発助成においては、従来1つのプログラムであった重点研究開発助成が記念枠として、指定のない研究テーマにグループで取り組むA、財団が指定する課題を核とした研究テーマに取り組むBの2つのプログラムになり、助成金額も大幅に増額された。また、レーザプロセッシング分野にも同じく2つのプログラムで構成される重点研究開発助成が加わることとなった。このことにより、塑性加工分野と助成プログラムの内容が並ぶこととなった。国際交流促進助成においては、国際会議等参加助成の対象として、会議に同行する大学院生への助成が新たに認められることとなった。これまでは研究者のみを対象としていたが、若い研究者を国際的な場で活躍させたい、との多くの要望に応えるため、実現されたものである。あわせて、採択後の円滑な助成の運営や助成申請の受付開始のお知らせを行うため、研究者登録を開始し、助成運営に効果を発揮し始めた。これらの成果を残して、織田直樹理事長と常盤徹専務理事が同年6月で退任され、後任として岡本満夫理事長と佐藤雅志専務理事が就任した。 2014(平成26)年、天田財団の新しいロゴが策定された。ロゴの冒頭に使用されているAの文字をデザインしたマークは、初代理事長 天田勇のサインをかたどってデザインされたもので、勇の財団にかけた想いをしのび、今後もその精神を継承していくことを表したものである。天田財団のマークの由来シンボルマーク天田勇のサイン2008(平成20)年12月13日の公益法人制度改革3法の施行に伴い、2010(平成22)年11月、公益財団法人への移行認定申請を内閣府に対して行い、翌2011(平成23)年3月23日に認可を受けた。申請に際して、財団の寄附行為の一部を変更している。財団事業に関係する変更点を以下に示す。・財団の名称を「公益財団法人 天田財団」に変更(変更前の正式名称は、特定公益増進法人天田金属加工機械技術振興財団)・ 「目的及び事業」の対象として「高密度エネルギー下での諸特性を利用した加工」(現時点ではレーザプロセッシングを示す)を追加また、同年の研究開発助成よりレーザプロセッシング分野のプログラムに「奨励研究助成」が加わった。内容は塑性加工分野と同じく、研究開発の前段階としての萌芽的な研究の助成が目的である。こうして財団の新しい道筋を付けてきた池田英勝専務理事が2012(平成 24)年6月で退任し、後任として常盤徹専務理事が就任した。また、翌2013(平成25)年6月には10年に渡り務められた上田信之理事長が退任することとなり、後任として織田直樹理事長が就任した。39

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