天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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2016年5月20日に行われた助成研究成果発表会の様子重点研究開発助成、およびレーザプロセッシング分野への助成の開始2004(平成16)年5月、7年間に渡り務められた天田満明理事長が退任し、上田信之理事長が就任した。翌2005(平成17)年には、研究開発助成の新たなプログラムとして「重点研究開発助成」が追加された。本プログラムは独創的、かつブレークスルーを期待する研究に対する助成である。また本プログラムの追加を機に、従来の「研究開発助成」の名称を「一般研究開発助成」に変更した。そして2007(平成19)年、研究開発助成の新たな取り組みとして、従来の塑性加工分野に加えて、レーザプロセッシング分野を独立した一般研究開発助成の対象として申請の募集を開始した。1980年代以降、急速に産業用途への普及が進んだレーザプロセッシング技術は、金属などの切断・溶接、マイクロ加工や表面改質などを初めとして、今後、多方面での発展が期待される分野であることから、助成対象として採択されることとなった。レーザプロセッシング技術は、初代理事長 天田勇が(株)アマダの経営者として采配を振るっていたとき、まだ金属加工用としてはれい明期だった同技術を見込み、社の技術者を説き伏せて技術開発を進めた結果、今日に至った経緯もあり、助成対象とすることは財団として自然な成り行きだったといえるかもしれない。こうした財団事業の発展に尽力してきた松本正照専務理事が2007(平成19)年5月で退任し、後任として池田英勝専務理事が就任した。2007(平成19)年 12月 1日、財団創立 20周年を記念して 「創立 20周年 記念講演会・式典・技術交流懇親会」 が神奈川県伊勢原市の(株)アマダ本社内の FORUM246にて開催された。まず、アーヘン工科大学名誉教授 ライナー・コップ工学博士、ならびにフラウンホーファー研究所ダーク・ペトリング博士による記念講演が行われ、続いて上田信之理事長よりあいさつとして、多年に渡る関係の方々のご尽力、ご協力への感謝とともに財団の現状と今後について述べられた。次に式典に移り、これまで行われた研究開発助成のうち、実用化により効果が得られた研究の中からさらに選考されたテーマへの天田財団功績賞の表彰と授与に続き、平成17年度研究開発助成の贈呈式が行われた。この後、ご来賓の中から経済産業省 渡邉政嘉素形材産業室長、(株)アマダ 岡本満夫社長より祝辞をいただいた。式典の最後には、社団法人 日本塑性加工学会 中村保会長より、塑性加工関連の研究開発への助成事業に対して財団に感謝状が贈られた。式典の終了後、技術交流懇親会が開催され、財団理事 東京大学名誉教授 木内学先生より乾杯のごあいさつをいただいた後、懇親の輪が大きく広がった。財団創立20周年記念行事の開催2007年12月1日に行われた創立20周年記念講演の様子38概 説

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