天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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たが、1991(平成3)年より、広く産業界への普及啓発を目的として成果報告の中からテーマを選んで行う講演会「FORM TECH」の開催と成果報告の内容をさらに広めるための機関紙「FORM TECH REVIEW」の刊行をそれぞれ開始した。経済状況の変動により、 「FORM TECH」は1994(平成6)年に開催された第4回を最後に休止となるが、 「FORM TECH REVIEW」 の刊行は途切れることなく続き、2016(平成28)年でVol.26(通刊27号)を数えることとなる。F0RM TECH REVIEW 1991 VOL.1(右)と研究概要報告書・国際交流報告書VOL.1(下)。ともに記念すべき第一号助成実施の第1回より、塑性加工技術の普及啓発事業の一環として、助成対象の研究などの成果報告書の内容を編集して「研究概要報告書・国際交流報告書」として刊行し、国内の関連機関へ配布してい普及啓発事業の実施FORM TECH REVIEW 2016 VOL.26研究開発助成と国際交流促進助成の開始財団が設立された1987(昭和62)年10月8日に第1回助成事業一般公募を発表した。当時の助成事業は、金属などの塑性加工分野を対象として、現在の助成プログラムと同様に研究推進を助成する「研究開発助成」と国際会議の開催や参加、および研究または技術取得を目的として来日する外国人研究者・学生の指導に当たる研究者を助成する「国際交流促進助成」の2つに分けて募集が行われた。研究開発助成には、独創的、かつ実用的な研究を助成する「研究開発助成」と研究開発の前段階としての萌芽的な研究を助成する「奨励研究助成」の2つのプログラムが用意された。国際交流促進助成には、それぞれ塑性加工分野の機関または団体の主催により、 3年以内に国内で開催される国際会議などの準備費用の一部を助成する「国際会議等開催準備助成」、海外で開催される国際会議等に参加して研究発表や講演を行う者、または会議の運営に中心的役割を担う者を助成する「国際会議など参加助成」、および塑性加工の研究分野において、研究または技術習得を目的として来日する外国人研究者・学生の指導に当たる研究者を助成する「外国人養成助成」の 3つのプログラムが用意された。選考委員会による審議の結果、第1回目の助成事業として「研究開発助成」26件、「国際交流促進助成」7件が採択され、助成総額は7,600万円であった。なお、助成実施が3回を数えた1990(平成2)年4月、財団の事業が軌道に乗ったことを見届けて織田重稔専務理事が退任し、後任として長谷見俊夫専務理事が就任した。(2)事業開始36概 説

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