天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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年代項目1980年~課題技術主要製品プレス機械金型備考▶1980(昭和55)年~現在 [せん断加工技術の変遷]ため、高剛性のULプレスと金型を用いたせん断と鍛造を組み合わせた複合加工である板鍛造加工法が開発され、他の加工法からプレス加工への転用により部品製造における大幅なコスト低減に貢献した。工作機械の分野では、多品種少量生産に適したタレットパンチが出現し、レーザとの複合機化が進んだ。製造技術においては、ホットプレス打抜き、噴射オリフィス孔の打抜きの技術などが確立された。現在、対応が進んでいる素材としては、高強度鋼板、高機能新材料(アモルファス合金、CFRP材など)の精密せん断技術の開発が挙げられる。 また、せん断加工の解析手法として、FEMによる破壊(クラック)発生を考慮した解析の進展が期待されている。6. 今後の展望せん断加工は、単に分離する加工から最終製品を成形するための加工へと進化した。しかし、せん断加工における永遠の課題は、工具の劣化に伴う切口面の悪化であり、高機能材料などの出現によりこの課題がますます深刻化している。この課題を改善するには、従来の加工条件や潤滑、工具材質やその表面処理といった要因の検討に加え、プレス機械のスライドモーションやFEMの活用などの様々な観点からの複合的な改善策の検討が必要になる。 天田財団が研究助成を行ってきたテーマの中で、せん断加工技術分野の研究テーマは合計100件にのぼる。研究テーマを分類すると、せん断加工の様々な技術を含む多種多様な研究開発が行われており、種類、件数ともに他の分野と比較しても多い。せん断加工技術への研究助成汎用・専用プレス機械による高精度大量生産技術時計部品/事務機器部品/自動車部品高精度メカプレス/油圧プレスリードフレーム打抜き用金型164研究開発と助成の変遷

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