天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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塑性力学理論が構築され始め、以下の成果がもたらされた。◦1955年 リング据え込み加工に上界接近法の解(工藤)◦1968年 塑性加工最初の弾塑性有限要素法(山田)◦1968年 押込加工の剛塑性有限要素法(Lee)なお、1969年には日本塑性加工学会内に冷間鍛造分科会が設立され、1986年より鍛造分科会へ発展 した。3. 1970~1980年代自動車分野が日本の基幹産業に発展し、冷間成形が困難な材料や比較的大型な部品(等速ジョイント)に温間鍛造が適用されるなど、冷間・温間鍛造技術の複合化が進んだ。閉塞鍛造技術の実用化に伴い、部分的ネットシェイプ(歯車関連)の研究が行われた。また、金型の表面処理技術として、TD、CVD、PVDの適用が開始された。4. 1990年代~現在環境問題および多種少量生産の時代に対応するため、ネットシェイプ、スリム・コンパクトへの対応が必要となった。鍛造技術の技術開発としては、以下が挙げられる。◦分流鍛造法を利用したヘリカルギアの精密鍛造技術の実用化◦大物歯型部品の熱間・冷間複合化成形◦中空部品、板鍛造の発展◦閉塞鍛造◦大型ホットファーマ―また、FEMシミュレーションが工程開発のみならず、材質予測に発展するようになり、普及が進んだ。▶1990(平成2)年~現在 [鍛造技術の変遷]年代項目1990年~技術課題温鍛冷鍛長軸物の高精度スプライン成形(高精度油圧リンクプレス)逐次成形の実用化中空部品熱  鍛フリーハンマードロップハンマーによる鍛造高歩留り、高速化した一貫生産ラインの革新異形大物部品の自動鍛造(ロール、曲げ工程のライン化)アップセッタによるワンヒート鍛造大型ホットフォーマーによる熱間押出し加工大物歯型部品の熱冷複合成形自動車グローバル化・新機構への対応とスピードアップ、ネットシェイプ/ネットプロパティスリム、コンパクト環境問題・多種少量生産国際化・コスト競争力の激化160研究開発と助成の変遷

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