天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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年代項目1980年~1990年~代表的製品パソコン(PC-9800)DNAチップ圧力センサーパソコン(Macintosh)ノートパソコン携帯電話DVDデジタルカメラインクジェットプリンター微細加工法ナノコンポジット紫外線リソグラフィフェムト秒レーザFIB(集束イオンビーム)金属ガラスナノインプリント表面加工技術モールド成形用ガラスFIB装置X線リソグラフィCMP(化学的機械研磨)計測技術AFM(原子間力顕微鏡)STM(走査トンネル顕微鏡)EBSD(電子後方散乱分析装置)スが開発された。光学系レンズにおいて導入の要求が強かった非球面レンズは形状が複雑なため、従来の研削・研磨加工では量産が困難であったが、モールド成形用ガラスが開発され、軟化温度、金型との反応性がそれぞれ低いことにより数万回のプレスが可能となった。5. 1990年代~現在ノートパソコン、携帯電話、DVD、デジタルカメラなどの製品の普及に伴い、様々な微細加工の技術が開発されている。 集束イオンビーム装置(FIB:Focused Ion Beam)は、イオンビームを5~10nmに集束して試料に照射することで観察・除去・堆積操作が可能である。本装置による成形事例としては、シリコン上に 10μmの歯車を成形した例がある。 また、半導体のリソグラフィ技術としては、X線リソグラフィの開発が挙げられる。KrF、ArF(液浸)エキシマレーザの次世代の技術として、現在、EUV(軟X線)リソグラフィによる製造技術の確立が期待されている。微細部品などの製造技術としては、熱可塑性樹脂をマイクロ金型の型内に充填し、100万分の1グラムの歯車の製造が可能となるマイクロ射出成形の技術が開発されている。ナノスケールの微細構造の作製を可能とするナノインプリント技術は、ローラーナノインプリント技術により、シート状の成形材料へのパターン転写が可能となり、シートの長さに制限のない連続ナノインプリントが実現することができた。6. 今後の展望現在、マイクロ成形加工の新しい試みとして、高速エアロゾル法による金属微粒子の堆積法、水中放電成型法、電磁成型法などの開発が進んでいる。塑性加工法においては、コイニングのみならず、押出し、引抜き、鍛造、ブロー成形なども試行されている。微細部品は相対的に自由表面の比率が多く、かつ結晶粒の変形が支配的になる。どこまで微細部品が▶1980(昭和55)年~現在 [マイクロ・ナノ加工技術の変遷]156研究開発と助成の変遷

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