天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
148/216

▶1980(昭和55)年~現在 [押出し技術の変遷]年代項目1980年~1990年~押出し技術コンフォーム押出し法(連続押出し)の導入・実用化有限要素法解析(FEM)の実用化展開押出しによる幅広形材の製造省エネ、全自動最適運転制御アルミビレットヒーター鉄道A6N01合金の開発と新幹線300系への適用新幹線500系がシングルスキン構体で製造新幹線700系A6N01大型押出し材でダブルスキン構体の製造自動車世界初のオールアルミモノコック・ボディに押出し材が適用用化、およびA6N01合金の開発により、新幹線300系の製造に適用された。1980年代後半には、量産車として世界初のオールアルミモノコックボディの自動車が日本で開発され、押出し材が適用された。4. 1990年代~現在1996年、日本塑性加工学会に押出し加工分科会が発足し、活動を開始した。1999年に営業運転を開始した新幹線700系車両においては、構体部分のダブルスキン構造を可能としたアルミ合金の幅広形材が適用されており、次世代のN700系においても引き続き適用されている。また、自動車のモノコックボディやサイドインパクトフレームにおいては、六角柱アルミ押出し材が適用されている。現在、研究開発段階の技術としては、可変断面押出し、等温等速押出し、急速急冷精密押出しが挙げられる。5. 今後の展望急速・急冷押出しや製品の組織制御が望まれてい天田財団は、これまで47件の押出し技術に該当する研究テーマに助成を行っている。研究テーマの傾向として、押出しの新技術・新材料開発が主体となっていることが挙げられる。押出し技術への研究助成るが、そのためには押出し加工における等温押出しのような制御・設備技術の開発が必要となる。製品応用範囲を拡大するため、現在研究中の可変断面押出しの実用化が期待されている。押出し加工にとどまらず、他の多用な加工技術、例えば曲げ矯正加工やハイドロフォームなどとの融合も視野に入れる必要がある。鉄鋼材料の高速押出しのためには、スケールや潤滑ガラスが存在するプロセス内制御用のセンシング技術の開発・導入が必要となる。148研究開発と助成の変遷

元のページ  ../index.html#148

このブックを見る