天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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年代項目1990年~板材成形技術ホットスタンプ(1.5GPa級鋼板)の普及インクリメンタルフォーミング(井関、 松原、北澤、1990~)材料・材料試験ULSAB(1994~98)ULSAB-AVC(1998~2002)板の繰返し引張圧縮試験(桑原、1995)(吉田、2002)~2軸引張りによる降伏曲面(桑原、1998~)プレス機械板材成形理論⒈基礎せん断理論尾崎・竹増(1994~)曲げ・スプリングバックの理論⒉材料モデル異方性降伏理論バウシンガー効果モデルOhno-Wang(1993)Teodosiu(1995)⒊成形限界・FLD非比例FLDGraf-Hosford(1994)板材成形CAE板成形シミュレーション市販コード(PAM-STAMP、LS-DYNAなど)の現場での活用(1990s前半~)われ・しわ予測(1990s~)▶1990(平成2)年~現在 [板材成形技術の変遷]アルミ、マグネシウムなど軽合金板動車産業への適用が開始されて大きく広がった。熱間で加工し、型内で急冷する焼き入れ硬化により、1,500MPa級以上の超高張力鋼板製品を得ることが可能であり、また冷間プレスとは異なり、スプリングバックがほとんど無く、熱間で延性が向上する。加えて、冷間プレスでは難しい絞り・張出し加工も可能となる。一方、設備投資が大きくなり、サイクルタイムも長いこと、焼き入れ後の打抜きトリム・ピアスが難しいこと、などが挙げられる。日本においては冷延高張力鋼板を使用した冷間プレスの技術が高いため、現状では欧州に比べるとその普及は限定的であり、980MPa級までは冷間プレス、1,500MPa級以上をホットスタンプで行うのが一般的である。現在は、通電加熱による局部ダイクエンチや加工用潤滑剤によるスケールの抑止などについて、幅広く研究が行われている。加工機においては、サーボプレスの開発が特筆される。高精度にラムの速度や位置が制御できるため、形状精度が安定し、成形性が向上するほか、従来の油圧プレスなどと比較すると、省エネルギー稼働が可能である。今後、サーボプレスによる1GPaを超える冷間成形が大いに期待される。5. 今後の課題 従来はホットスタンプの領域と思われてきた1,500MPa級の高張力鋼板の成形を冷間で行うようになってきている。ホットスタンプの生産性向上は、冷間成形との住み分けも含めて、大きな課題である。590MPa高張力鋼板144研究開発と助成の変遷

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