天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
142/216

年代項目1970年~板材成形技術ホットスタンプの始まり(1970s)シェービング対抗ダイスせん断(近藤)材料・材料試験プレス機械タンデムプレス板材成形理論⒈基礎せん断理論村上・古閑(1977~)曲げ・スプリングバックの理論⒉材料モデル異方性降伏理論Gotoh(1977)バウシンガー効果モデルDafalias-Popov(1977)⒊成形限界・FLDS-Rモデル(1975)非比例FLD中島(1968)、久保寺(1970)板材成形CAE大学・研究機関でのFEM基礎研究▶1970(昭和45)年~1989(平成元)年 [板材成形技術の変遷]果(Cyclic Plasticity)モデルではChaboche(1983)をはじめ多くの研究がある。また、非比例変形における成形限界線図(FLD)の開発が中島(1968)、久保寺(1970)の研究、および後藤による4次降伏関数の研究(1977)を出発点として行われた。実部品シミュレーションについては、1985年以降、国際会議(NUMISHEETなど)において発表されるようになった。板材成形技術:テーラードブランク(Tailored blank)の導入・適用が軽量化と衝突安全性を両立させる目的から進んだ。本技術は、板厚・材質の異なる板材を溶接で接合後にプレス成形するため、素材の最適配置や成形性の向上が可能であり、あわせて溶接技術の研究開発も進展した。4. 1990年代~現在材料:自動車の軽量化を目的とする国際的なプロジェクトULSAB(1994~98)とさらに自動車の安全性や経済性、環境適合性まで追及したULSAB-AVC(1998~2002)が発端となり、主に日本を中心とした高強度冷延鋼板の開発とプレス成形による適用が進んだ。1990年代前半までは、340MPa程度の強度の鋼板が使用されていたが、1990年代後半には590MPa、さらに780MPaへと開発が進み、2000年代には980~1,180MPaの強度を持つ鋼板の開発および適用が進んだ。また、アルミ、マグネシウムなどの軽合金板への転換、および板材加工技術も進展し、適用が進んでいる。2006年には日本鉄鋼協会に「計算工学による組織と特性予測技術研究会」が発足した。板材成形理論: われ・しわ予測については、CAE技術の発展などにより、1990年代にほぼ実用化することができた。 この時期には,高精度材料モデルの開発と利用が板材成形シミュレーションの中心課題となってきた。異方性降伏関数については、Barlat(2003、2007、2011)をはじめ多くの新しい提案がなされ、成形シミュレーションに用いられるようになってい142研究開発と助成の変遷

元のページ  ../index.html#142

このブックを見る