天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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(5)板材成形技術の変遷▶1950(昭和25)年以前~1969(昭和44)年 [板材成形技術の変遷]▶板材成形技術の変遷1. 概要板材成形は、質的にも量的にも塑性加工の中心となる技術であり、多くの産業で広く使用されている。自動車産業への適用を例とした場合、衝突安全性と軽量化を目的とした高張力鋼板の使用の急速な拡大や近年素材として採用が進んでいるアルミ、マグネシウムに代表される軽合金板への強い関心が挙げられる。また、近年においては、テーラードブランク、ファインブランキング、対向液圧成形、インクリメンタルフォーミング、ホットスタンプ、板鍛造などの技術の各産業への適用も進んでいる。加工機においては、サーボブレスの開発が特筆に値する。今後、さらに板材成形技術との一層の発展に期待がかかる。 解析技術の適用としては、この四半世紀に大きく発展した板材成形CAE技術が挙げられ、現在では生産現場の技術としても不可欠になっている。2. 1950~1960年代 材料試験: 板材の成形性を調べる材料試験の重要度は高く、エリクセン試験(1912)、スウィフト深絞り試験(1957)などが国内に導入された。また、海外の研究とともに日本独自の研究も開花し、コニカルカップ試験(福井、1959)、液圧バルジ(宮川・西村、1967)、降伏関数の精密化として等2軸降伏応力を液圧バルジ試験で取得する技術(白鳥・池上ら、1960年代後半)が開発された。 先駆的な研究としては、塑性不安定現象(Swiftの拡散くびれ、1952)、局部くびれ(Hill、1952)など年代項目1950年以前1950年~板材成形技術精密打ち抜き[FB](1922)~材料・材料試験エリクセン試験(1912)プレス機械板材成形理論⒈基礎プレス成形の分類せん断理論曲げ・スプリングバックの理論⒉材料モデル異方性降伏理論Hill(1948、1978、1990)バウシンガー効果モデル⒊成形限界・FLDSwift拡散くびれ(1952)Hill局部くびれ(1952)非比例FLD板材成形CAE140研究開発と助成の変遷

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