天田財団30年史「人を育て、知を拓き、未来を創る ~天田財団30年の軌跡~」
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1960年~計算機制御電動AGC熱間タンデムミル計算機制御4Hiレバースミル油圧圧下タンデムミルIF鋼平鋼UV圧延ユニバーサル圧延線材ステルモア冷却近代的マンドレルミルアダマイト、高合金グレン鋳鉄3%Cr鍛鋼ゲージメーター式近似的3次元理論変形抵抗式静的連続圧延理論当時、欧米では過去の実績・経験に基づくデータを計算機制御に使用していたが、実績・経験の乏しい日本は圧延理論の掘り下げによる計算機制御に注力した。結果として、素材、製品、圧延機、圧延要因(摩擦、ロールの隙間、速度・張力・材料厚さなどの技術的要因)の総合特性を理論的に解析し、コンピュータによるプロセス制御を確立して技術的に世界をリードしはじめた。特に大学・研究機関と産業界が共同で変形抵抗の測定と変形抵抗式の構築に取り組んだプロジェクトは特筆される。板圧延:板圧延の技術においては、圧延自動制御、板厚制御、変形抵抗、影響係数、およびタンデムミルの制御特性の研究・開発が主体となった。大学での研究も理論解析・実験を主体としたプラスチシンによる変形解析や側圧ピンによる圧力分布解析など、産業界に必要とされる技術開発により協力関係を築いた。その後、1960年代後半の高度成長最盛期においては、コンピュータによる連続制御およびその解析、形状・プロファイル制御の基礎となるロールベン ディング解析に注力した。また、同時期、厚板では低温加熱、低温圧延のTMP(Thermo-Mechanical Processing)が試行された(SHT法など)。自動車産業向けとしては、自動車パネル用極低炭素鋼板IF鋼なども開発された。形・棒線・管圧延:〈形鋼〉 欧米から導入された技術に基づき、孔型ロールのみによる簡略方式による製造が進められ、仕127

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